平屋住宅は思っていた以上に建設費用がかかる

平屋住宅は思っていた以上に建設費用がかかる

注文住宅を建てる方にとって、一般的な2階建て住宅よりも平屋住宅の方が安く建築できるのではと感じている方も少なくはありません。
確かに2階部分が無いことで見た目はシンプルになり、高所作業も不要となることから簡単に施工できると感じることはある意味では当然です。
ところが実際には平屋住宅は2階建て住宅よりも建設費用が高くなることが多く、その理由にはハウスメーカーや工務店では2階建て住宅の建築実績が圧倒的に多く、既に出来上がった住宅資材の選定で作業効率が良いという現状があります。
平屋住宅の場合は坪数が広めになることが多く、導入する住宅資材なども別注する必要性が出てきたり、間取り自体は2階建て住宅と変わらない事例や、水回りの設備も変わらないことなどがあり、逆に言えば安くなることはほぼありません。
1階部分のみで室内や水回りのレイアウトを行い、更に家族間でもプライバシーを確保できるようにする設計は意外と難しくなることも建設費用が高めになる理由です。

メリットと固定資産税の問題を踏まえて平屋を選択

建物には様々な種類がありますが、最近はメリットが多い平屋を選ぶ人が増えています。
平屋は全ての間取りがワンフロアに収まるため、生活動線や家事動線がシンプルです。
家族同士のコミュニケーションが取りやすく、階段がないのでバリアフリーにも簡単に対応できます。
平屋は支える重量が軽くて安定しやすく、二階建て住宅よりも耐震性が高くなります。
屋根の選択肢も多く家族の構成に合わせてロフトを設置でき、ライフスタイルに合わせて暮らしやすい空間を実現しやすいです。
大きな屋根を活用すれば太陽光発電システムを簡単に導入でき、冷暖房費などの光熱費を大幅に削減できます。
屋根や外壁のメンテナンス費用も抑えられ、階段部分のスペースを有効に使えます。
メリットが多い平屋ですが、坪単価や税金の面で不利な点があります。
延床面積に比べて基礎部分の面積が大きく、坪単価や固定資産税が高くなります。
建築コストはプランによって異なるので、様々な視点から確認すれば全体の費用を抑えられます。

著者:清家英雄

筆者プロフィール

長野県上田市生まれ。
一級建築士として様々な住宅を建設。
今回は平屋について情報をまとめました。